
家族が増えると避けて通れないのがお金の話です。学費や食品、日用品が値上がりしているにもかかわらず、給料が上がらない昨今の状況では将来に備えて少しでも収入を増やしたいと考える方も多いのではないでしょうか?
最近は副業を解禁する企業も増えており、会社員が収入をアップする方法として副業は有力な選択肢になってきていると思います。
副業として各所で紹介されているのがブログとせどりです。特にせどりは専門知識やスキルが不要なこと、スキマ時間でできそうなこと、即金性が高いことなどが謳われているため、関心を持たれる方も多いのではないでしょうか?
しかし、いざネットでせどりについて調べてみると、

高額な情報商材やコンサルを紹介するページがたくさん出てきた!もしかしてせどりって危ないビジネスなの?
とか、

英語の略語やカタカナ語がたくさん出てきて何を言っているのかわからない!もう調べるのは疲れた。
と諦めてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?実際私も調べていて何度も不安を感じたり、心が折れそうになりました。
この記事は、そんな私が自分なりにせどりの全体像を調べたことをまとめた記事になります。私と同じように、「せどりに興味はあるけど、具体的にどんなことやるかイメージがつかないよ」という方の参考になれば幸いです。
なお、私自身はせどりをやっていませんし、いまのところやる予定もありません。体験していないので、この記事では具体的なテクニックを紹介していません。また、せどりをやっている人から見れば実際と異なる点も多々あると思います。その点はご容赦ください。
そもそもせどりって何?
goo辞書によると、せどりの意味は以下のとおりです。
同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること。また、それを業とする人。
goo辞書
つまり、あるところから品物を仕入れ、それを別のところに仕入れ価格よりも高い価格で売却することで利益を得る、という商売です。こう聞くと、

それって転売ヤーと同じじゃないの?
と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。私も最初そう思っていました。
これに対するせどり肯定派の見解は以下のとおりです。

転売が禁止されている商品(人気のコンサートチケット等)や人気商品の買い占めを行うのでなければ問題ありません。

そもそも、安く仕入れて高く売るのは商売の基本で、当たり前にやられていることです。つまり、多くの人が普段利用しているスーパーや家電量販店の同じです。
今回せどりについて調べる中で、個人的には肯定派の意見にも一理あるな、と考えるようになりました。
ただ、せどりに対して否定的な感情を持っている方が少なからずいると思います。もしせどりを始めるなら、その点は覚悟が必要でしょう。

少なくとも家族の理解は得ておきたいですね。
せどりってどうやるの?
せどりで行う作業は以下の4つです。
- 準備
- 仕入れ
- 販売
- 管理
以下ではそれぞれの作業の概要を解説します。
準備
せどりは比較的簡単に始められる副業だと言われていますが、それでも始めるにあたって最低限以下の3つが必要です。
- せどりに費やす時間
- 商品を仕入れるためのお金
- 商品を保管するための場所
時間
ネットでは、空き時間を使ってスマホでぽちぽちするだけでお金が稼げる、なんて宣伝を目にすることもありますが、それほど甘くはないです。
仕入れる商品の探索、ライバルと比較しながらの価格調整、商品を発送するための梱包など、様々な作業が必要で、時間も手間もかかる仕事です。
本業をやりながら、さらに副業としてせどりをやるとなると、時間が足りなくなってしまうでしょう。おそらく多くの人がここであきらめてしまうのではないでしょうか?
お金
初めて商品を仕入れるためのお金は自分で用意しなければいけません。
せどりの利益率は商品の10%程度のようなので、例えば月3万円の利益を目指すなら30万円の資金が必要です。
もし、必要な資金をすぐに用意するのが難しければ低めの利益目標を設定して小さく始めたほうが良いでしょう。最初から大量の資金を注ぎ込んでしまうと、大量の不良在庫を抱えて大赤字、なんてことになりかねません。
場所
仕入れた商品の保管するための場所が必要です。
一度に大量の商品を仕入れてしまうと、部屋が荷物で溢れてしまうことになりかねません。そのため、仕入れる前にスペースを確保する必要があります。
また、仕入れた商品はその後販売するため、大切に保管する必要があります。保管場所には、湿度・温度が安定した場所を選ぶ必要がありそうです。
もし、スペースを確保するのが難しければ、小型の商品のみを取り扱ったり、回転率の高い商品を取り扱って一度に必要な保管スペースを減らすなどの工夫をしなければならないでしょう。
仕入れ
仕入れはせどりを行う上で非常に重要な作業になります。ポイントは、利益が見込める商品を効率よく見つけることです。
仕入れで必要な作業は、
- 商品の探索
- 利益の見積もり
- 商品の購入
になります。
商品の探索
まず、商品の候補を探します。一般的な仕入先としては、Amazonや楽天などのECサイト、フリマアプリやオークション、家電量販店やディスカウントストアの実店舗があります。
また、海外の通販サイトから日本では発売していない商品を仕入れている方もいるようです。

中には、メーカーから直接仕入れている猛者もいるようです。
利益の見積もり
商品の候補が見つかったら、次は利益の見積もりです。ここで注意すべきポイントは以下の3つです。
- 価格の相場と販売数
- ライバルの数
- 手数料
まず、ECサイトなどで検索して商品価格の相場と毎月の販売数を調べます。
このとき、現在の価格だけでなく、数週間、あるいは数ヶ月間に渡る価格の推移を調べることも大切です。というのも、頻繁にセールする商品で、かつセール時によく売れている商品の場合、セール時の価格がその商品の相場である可能性が高いためです。
次に、ECサイトでライバルの数、つまり候補の商品を出品者している業者の数を調べます。ライバルが多いと価格競争が起きるため、利益を出すのが難しくなります。逆に出品者が少なすぎる場合、候補の商品が不人気商品である可能性があります。
そして、忘れてはいけないのは手数料です。最近の大手ECサイトは配送料無料の商品が多いですが、大型の商品などは高額な送料がかかるケースが少なくありません。
また、購入時だけでなく販売時にかかる手数料も考慮しなければなりません。例えば、仕入れた商品をAmazonで販売する場合、販売価格の8%〜15%が販売手数料としてかかります。加えて、販売手数料以外にも、商品を送るための送料がかかります。

販売価格 – 仕入れ値 がそのまま利益になるわけではないことに注意が必要ですね!
最後に、これまで得られた情報を使って商品一個あたりの利益と、一月あたりの利益を計算します。
商品を一つ売るごとに得られる利益は以下の式で計算できます。
商品1つ売るごとに得られる利益 = (販売価格) – (仕入れ価格 + 手数料)
また、この商品から一月に得られる利益は以下の式になります。
一月に得られる利益 = (商品1つ売るごとに得られる利益) x (毎月の販売数) ÷ (ライバルの数 + 1)
こうして計算した一月に得られる利益が、作業時間や商品が売れ残るリスクを上回っていると判断すれば、商品を仕入れます。
販売
仕入れた商品を販売するための作業は以下の3つです。
- 販売経路を選ぶ
- 販売価格を決める
- 商品を梱包して発送する
販売経路を選ぶ
せどりを初めてすぐの場合、以下の3つが販売経路の有力候補になります。
- Amazon
- メルカリなどのフリマサイト
- ヤフオクなどのオークションサイト
これらの販売経路には、それぞれ、メリットとデメリットがあります。
Amazonを使うメリットは、商品の保管スペースや出荷にかかる手間を省けることです。Amazonは出品者向けに、フルフィルメント by Amazon(FBA)というサービスを提供しており、これを利用すると以下の作業をAmazonが代行してくれます。
- 商品をAmazonの倉庫で預かる
- 商品をAmazonの倉庫から梱包・発送する
- 返品やカスタマー対応を行う
これを利用すれば、自分は利益の出る商品の調査などに注力することができるようになります。
一方で、このサービスを利用するためには手数料がかかります。また、Amazonの規約に反する商品を販売してしまった場合や、真贋調査(販売している商品に問題がないかの調査)に適切に対応できなかった場合には、アカウントが停止されてしまう可能性もあるようです。
フリマサイトを使うメリットとして、Amazonに比べると商品に対する規約が緩やかであること、商品によってはAmazonと比べて手数料が安いことが挙げられます。
一方で、落札者とのやり取りや商品の梱包・発送は自分で行わなければならず、大量の商品を取り扱うのが難しいというデメリットがあります。
オークションサイトはフリマアプリと似ていますが、出品者ではなく落札者が商品の価格決める点が大きく異なります。
人気商品を出品する場合、ある程度自動的に相場に応じた価格に落ち着く可能性が高いため、販売価格を決める手間を省くことができます。また、レアな商品を販売する場合には、非常に高値が付く可能性もあります。
一方で、あまり人気のない商品を出品する場合には、買い手が少なくて相場より低い価格で落札されてしまうこともあります。

商品や規模によって適当な販路は異なるということですね。最初はフリマサイトから始めるのが良さそうです。
価格を決める
商品を仕入れる段階でおおよその販売価格の目処をつけますが、改めて価格を調査して最終的な販売価格を決めます。
仕入れから時間が立っている商品は、需要やライバルの数、価格が変化している場合もあるため、適切な価格に調整する必要があります。
また、売れ行きが悪い商品については、利益が出ない価格か、場合によっては赤字でも売らなければならないこともあるでしょう。商品が売れないと次の仕入れに使う資金が得られないので、致し方ないですね。
全ての商品で利益を出すことを目指すのではなく、トータルで収益が上がるようにするのがコツのようです。

とはいえ、せっかく仕入れた商品を赤字で売るのはつらいでしょう。そうならないために、仕入れの段階で利益が出る商品か見極めることが大切ですね。
商品を梱包・発送する
フリマやオークションで商品を販売した場合、商品の梱包は自分で行います。あまりに丁寧にする必要はありませんが、輸送中の破損や故障を防ぐために割れ物や精密機器は梱包材できちんと保護するなど、最低限の対応は必要です。
ダンボールやプチプチなどの梱包材はホームセンターなどで購入可能ですが意外と高額です。適切なサイズのものを選択したり、商品の詰め方を工夫するなどして梱包にかかるコストを下げると良いでしょう。
梱包に加えて、発送までの日数も重要です。ヤフオクやメルカリは出品時に発送の目安を記入します。期日を守れないと出品者としての評価が悪化する可能性があるため、確実に発送できるように時間を確保しておきましょう。

慌てて梱包したために商品を壊してしまった、なんてことがないように余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
管理
せどりのメインは仕入れと販売ですが、忘れては行けないのが管理業務です。これらは地味な作業ですが、継続してせどりを続けていくためには重要でしょう。
まず、資金の管理です。少なくとも一月に一度くらいは、仕入れに使った金額と売上を集計しておく必要があるでしょう。これを怠ると、商品が売れていないのにどんどん新しい商品を仕入れてしまい、大赤字を出すことになりかねません。
次に、在庫管理です。せっかく売れる商品を仕入れても在庫を切らしてしまってはチャンスを逃してしまいます。また、寿命がある商品、たとえば食品など賞味期限があるものは、期限が近くなるほど値下げしないと売れなくなってしまいます。商品ごとに、いつまでに売らなければいけないか認識しておく必要がありそうです。
最後に利益の把握です。会社員であれば、税金は給料から天引きされているので自分で納税する必要はありません。しかし、副業で一定以上の利益を上げた場合には自分で確定申告を行う必要があります。この税金の計算のために、いつ、どれだけ利益が出たのか把握しておく必要があります。

意図せず脱税してしまった、なんてことにならないように最低限の税の知識は身につけておく必要がありそうです。
まとめ
以上、せどりで必要となる作業について、私なりの理解を簡単に解説しました。
せどりは、安く仕入れて高く売る、というシンプルなビジネスです。しかし、実際に始めると多くの作業と判断が求められることがわかります。
正直、この記事で紹介できたのは各作業の表面的な部分だけです。例えば仕入れの判断に関する部分だけでも、ちゃんと解説しようとすればこの記事の数十倍にもなるでしょう。そして、実際に作業する際には、知識を仕入れるために使った時間の何倍もの時間が必要になるでしょう。
このように、せどりで収入を得るのは決して簡単ではないと思いますが、チャレンジする価値はあると思っています。それは、仕入れ、販売、管理という商売の基本を一通り学べると感じたからです。
副業として始める以上、利益を出すことを目標にするのは当然ですが、仮にうまく行かなかったとしてもそこで得た経験は本業に活かせると思います。
この記事を読んでせどりにチャレンジしたい、と思った方がいらっしゃったら幸いです。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。以上になります。